枕金(読み)まくらがね

精選版 日本国語大辞典 「枕金」の意味・読み・例文・類語

まくら‐がね【枕金】

〘名〙
① 手許に用意しておく金。
浄瑠璃釜淵双級巴(1737)上「まさかの時の御用にもと貯へ持ちしお枕金」
遊女を身請けするときの手付金。まくらきん。
浮世草子諸道聴耳世間猿(1766)五「百両余りの枕(マクラ)金〈略〉是で太夫が公界をひかせ」
芸妓が客に身を許すとき、客からもらう契約金枕掛。枕代。枕銭。まくらきん。
※浮世草子・真実伊勢物語(1690)二「夢の間のまくらかね」
④ 宿泊客などが、チップとして枕の下などにおいた金。
あめりか物語(1908)〈永井荷風〉夜の女「お客の枕金(マクラガネ)を掠ねて」

まくら‐きん【枕金】

〘名〙
安愚楽鍋(1871‐72)〈仮名垣魯文〉三「あはよくば芸妓(ふるねこ)尻尾持上て枕金(マクラキン)小釣をとるか」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「枕金」の意味・読み・例文・類語

まくら‐がね【枕金】

遊女を身受けするときの手付金。まくらきん。
芸者が客に身をまかせるときに受け取る契約金。まくらきん。

まくら‐きん【枕金】

まくらがね」に同じ。

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