林屋正蔵(初代)(読み)はやしや・しょうぞう

朝日日本歴史人物事典 「林屋正蔵(初代)」の解説

林屋正蔵(初代)

没年天保13.6.5(1842.7.12)
生年天明1(1781)
江戸後期の落語家。江戸生まれ。26歳で初代三笑亭可楽に入門,まず三笑亭楽我(賀)を名乗り,可竜,笑三,さらには林屋正蔵改名。37歳で江戸きっての盛り場,両国広小路寄席を経営,1年中昼席を開き,日々演題を改め,江戸見物の人々を引きいれた。仕掛けや人形を用いた怪談咄を得意とし得たのも,持ち席あればこそで,自作の『軽口頓作 ますおとし』(1826)などの咄本合巻を寄席で籤引きの景品とした。55歳で剃髪したが還俗。今戸慶養寺に葬る。名跡は昭和56(1981)年に彦六と改名した8代目におよび,初代の得意とした怪談咄を継承。なお4代正蔵から亭号は「林家」。<参考文献>延広真治『落語はいかにして形成されたか』

(延広真治)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「林屋正蔵(初代)」の解説

林屋正蔵(初代) はやしや-しょうぞう

1781-1842 江戸時代後期の落語家。
天明元年生まれ。初代三笑亭可楽の門下。楽我,可竜,笑三をへて林屋正蔵を名のる。怪談噺(ばなし)の創始者狂歌,義太夫などにも長じ,噺本「升(ます)おとし」や合巻「帯屋於蝶三世談(おびやおちょうさんぜものがたり)」の著作をのこす。一時2代鹿野(しかの)武左衛門を名のった。天保(てんぽう)13年6月5日死去。62歳。江戸出身。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

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