林懐(読み)りんかい

朝日日本歴史人物事典 「林懐」の解説

林懐

没年:万寿2.4.4(1025.5.3)
生年天暦5(951)
平安中期の法相宗の僧。伊勢国(三重県)度会郡の人。大中臣興身の子。興福寺喜多院の真喜に従い,同院に住す。寛弘3(1006)年三会已講の労によって権律師となり,のちに大僧都昇進。法華寺別当を経て,長和5(1016)年に興福寺別当となる。寺僧濫行の責任によって,一時別当職を停止されたが復任。寛仁3(1019)年藤原道長が東大寺で受戒した際には,その教授師を勤めた。治安3(1023)年,藤原頼通が氏寺である興福寺の寺領保全を怠ったとして,頼通主催の法会に出席しなかった。

(岡野浩二)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「林懐」の解説

林懐 りんかい

951-1025 平安時代中期の僧。
天暦(てんりゃく)5年生まれ。法相(ほっそう)宗。伊勢(いせ)(三重県)度会(わたらい)郡の人。奈良興福寺喜多院の真喜にまなぶ。維摩会(ゆいまえ)講師をつとめ,法華寺別当をへて長和5年(1016)興福寺別当となった。大僧都。門下明懐,教懐らがいる。万寿2年4月4日死去。75歳。

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