柏夾(読み)カシワバサミ

デジタル大辞泉 「柏夾」の意味・読み・例文・類語

かしわ‐ばさみ〔かしは‐〕【××夾】

凶事火事のような非常の場合、冠のえいを巻いて、白木の挟み木で留めること。
直衣なほしに―にて供奉ぐぶせらる」〈平治・上〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「柏夾」の意味・読み・例文・類語

かしわ‐ばさみ かしは‥【柏夾】

〘名〙 (「柏」は「白木」の合字としてあてたものか) 凶事、焼亡のような非常の場合、臨機に冠の纓(えい)を巻くこと。挟木(はさみぎ)に有り合わせの木・竹の類を用いることを特色とする。
小右記‐永観三年(985)二月一三日「公卿皆騎馬、着直衣・下重、以纓拍

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世界大百科事典(旧版)内の柏夾の言及

【冠】より

…これを巻纓冠(けんえいのかん)という。また文官でも,危急の場合には纓をたたんで夾木で止めることが行われ,これを柏夾(かしわばさみ)と称した。また天皇は烏帽子をかぶることがなかったから,内々では纓を巾子の上に引き起こし,檀紙(だんし)に穴をあけたものでこれを上から挿して止めておいた。…

※「柏夾」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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