柳川一蝶斎(読み)やながわいっちょうさい

改訂新版 世界大百科事典 「柳川一蝶斎」の意味・わかりやすい解説

柳川一蝶斎 (やながわいっちょうさい)

日本手品師。(1)初代 生没年不詳。初代養老滝五郎の門弟で,初名は柳川蝶之助。江戸で活躍し,〈うかれの蝶の曲〉でよく知られる。1837年(天保8)に将軍の上覧を仰ぎ,のち柳川豊後大掾(ぶんごのだいじよう)藤原清高を受領した。(2)2代 生没年不詳。東京駒込の植木屋に生まれる。初代の門弟。1880年ごろに2代を継ぎ,寄席で名を上げた。(3)3代(1847-1909・弘化4-明治42) 本名青木治三郎。東京神田の生れ。16歳で初代に入門し,蝶之助を名乗る。1866年(慶応2)に海外巡業,のち79年,春風蝶柳斎と改名した。蝶や獅子の手品に優れ,92年に天覧,96年に3代を継いだ。純粋の日本式手品の最後の芸人といわれる。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

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