柴原幾左衛門(読み)しばはら・いくざえもん

朝日日本歴史人物事典 「柴原幾左衛門」の解説

柴原幾左衛門

没年:文政4.3.13(1821.4.15)
生年寛延2(1749)
江戸中・後期,赤穂西浜塩田開発の後援者。播磨(兵庫県)赤穂藩塩屋村の豪商柴原家第10代。通称義民,幾左衛門は世襲名。柴原家は寛文(1661~73)ごろより酒造で富を貯え,明和(1764~72)ごろには酒・味噌・醤油製造,質商,塩・木(製塩燃料)問屋を兼業し,文化年間(1804~18)には田畑23町歩,塩田28町歩,大坂に赤穂藩の掛屋(金融業)3軒を所有し,藩の蔵元役筆頭として勘定所,札座に参画。また16歳で南浜15町歩の開拓資金援助,40歳ころには江戸浜7町歩の再起の銀主,50歳ころには大土手浜7町歩新開の銀主として313貫匁の投資を行った。文化10(1813)年には知行100石,隠居へ10人扶持,居屋敷年貢御免などの特権を与えられている。<参考文献>河手竜海『近世日本塩業の研究

(廣山堯道)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「柴原幾左衛門」の解説

柴原幾左衛門 しばはら-いくざえもん

1749-1821 江戸時代中期-後期の商人
寛延2年生まれ。播磨(はりま)(兵庫県)赤穂郡(あこうぐん)塩屋村の豪商柴原家の10代。酒・味噌(みそ)・醤油(しょうゆ)製造,質商,塩問屋,木問屋をかね,赤穂藩の蔵元役筆頭として江戸浜や大土手浜の干拓などに資金援助をおこなった。文政4年3月13日死去。73歳。通称は義民。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

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