柴漬(読み)しばづけ

精選版 日本国語大辞典 「柴漬」の意味・読み・例文・類語

しば‐づけ【柴漬】

〘名〙
① 冬、柴などを束ねて、川や湖沼などの岸近くの水中につけ、これに集まってくる魚を捕えること。ふしづけ。
※俳諧・野集(1650)四「たのむこころぞはかなかりける 柴漬の下にあつまる小魚ども」
茄子(なす)を薄く櫛形に切り、紫じその葉、茗荷(みょうが)唐辛子などを入れ、塩でつけた京都特産漬物。〔料理珍味集(1764)〕

ふし‐づ・く【柴漬】

〘自カ下二〙
① 魚を獲るために、ふしづけをする。柴(しば)川水につける。
拾遺(1005‐07頃か)冬・二三四「ふしづけし淀のわたりを今朝みればとけんともせず氷りしにけり〈平兼盛〉」
② 水中に沈む。入水する。
幸若大臣(室町末‐近世初)「まむなうが池にいきながらふしづけ申けるときく」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「柴漬」の意味・読み・例文・類語

ふし‐づけ【×柴漬(け)】

しばづけ2」に同じ。 冬》「―や古利根今日の日を沈む/秋桜子
からだを簀巻すまきにして水中に入れること。1に似た罪人などの処罰法。
「水の底に―にもし」〈義経記・三〉

しば‐づけ【×柴漬(け)】

ナス・キュウリ・ミョウガなどの薄切り赤ジソの葉などを塩漬けにしたもの。京都大原の特産。
冬、柴を束ねて川や湖などに沈めておき、それにすみついた魚を捕らえること。しのづけ。ふしづけ。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の柴漬の言及

【漬漁業】より

…漁獲は集まっている魚群をまき餌などで竹の下から離し,まいてとる。柴の束を海底に沈めておくのを柴漬というが,ウナギ,イカ類,タコ,アナゴ,ハゼ,エビ,カニなどが対象となる。この場合は,柴を漁船から静かに引き上げ,中にもぐりこんでいる魚介類を手網の中にふるい落とす。…

※「柴漬」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

青天の霹靂

《陸游「九月四日鶏未鳴起作」から。晴れ渡った空に突然起こる雷の意》急に起きる変動・大事件。また、突然うけた衝撃。[補説]「晴天の霹靂」と書くのは誤り。[類語]突発的・発作的・反射的・突然・ひょっこり・...

青天の霹靂の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android