精選版 日本国語大辞典 「柵・笧」の意味・読み・例文・類語
しがら・む【柵・笧】
[1] 〘他マ四〙
① からみつける。まといつける。からませる。
② しがらみを設ける。しがらみを設けて、水流などをせき止める。
※狭衣物語(1069‐77頃か)二「涙川流るる跡はそれながらしがらみとむる面影ぞなき」
③ さえぎり止める。防ぎとめる。
[2] 〘自マ五(四)〙 からみつく。からまる。もつれる。かかわりをもつ。
※御伽草子・さいき(室町末)「うらみんとすれどもかれがれの、かづらばかりぞ身にそひて、しがらむいまのわが心、せめておもひもなぐさむと」
しがらみ【柵・笧】
〘名〙 (動詞「しがらむ(柵)」の連用形の名詞化)
① 水流をせき止めるために、川の中に杭(くい)を打ち並べて、その両側から柴(しば)や竹などをからみつけたもの。しがら。
② 物事をせき止めるもの。引き止めるもの。まとわりついて身を束縛するもの。
※源氏(1001‐14頃)幻「よろしう思はんことにてだに、涙とまるまじきを、まして、袖のしがらみせきあへぬまで〈略〉尽きせず思ひ聞こゆ」
しがら【柵・笧】
〘名〙 =しがらみ(柵)①
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