栗崎道喜(初代)(読み)くりさき・どうき

朝日日本歴史人物事典 「栗崎道喜(初代)」の解説

栗崎道喜(初代)

没年:慶安4.12.30(1652.2.9)
生年:天正10?(1582)
江戸前期の外科医。肥後国栗崎村(宇土市栗崎町)生まれ。幼名は歌之助,名は正元。幼くして長崎に出,南蛮人によって海外(マカオともルソンともいわれる)に連れ去られ外科術を修得。のち帰国して長崎で医業を開き,南蛮外科栗崎流の開祖となった。伝記には諸説があるが,帰国に際して官辺に日本素性を立証するために「高砂」の謡の一節をうたったなどの逸話が伝わる。長崎で没し,寺町東林山深崇寺に葬られた。長子の正勝(1622~98)が2代道喜を襲名,越前(福井)藩に仕えた。<参考文献>竹内真一「南蛮外科栗崎家系譜と越前栗崎家」(『若越郷土研究』14巻2号)

(宗田一)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「栗崎道喜(初代)」の解説

栗崎道喜(初代) くりさき-どうき

1568-1652* 織豊-江戸時代前期の医師
永禄(えいろく)11年生まれ。肥後(熊本県)の人。長崎からフィリピンルソン島にわたり外科をまなぶ。慶長のはじめに帰国し長崎で開業,栗崎流南蛮外科の祖となる。金瘡(きんそう)(切り傷)治療で知られた。慶安4年12月30日死去。84歳。名は正元。著作に「瘍医秘訣」など。

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