精選版 日本国語大辞典 「栲」の意味・読み・例文・類語
たく【栲】
[語誌](1)カジノキとコウゾは古くはほとんど区別されていなかったようである。中国では「栲」の字はヌルデを意味する。「栲(たく)」は樹皮を用いて作った布で、「タパ」と呼ばれるカジノキなどの樹皮を打ち伸ばして作った布と同様のものとされる。
(2)「古事記伝‐一四」では、「栲(たく)」は樹皮を織布として用いるシナノキであるとする。
(3)文学作品には「栲縄(たくなわ)」「栲領巾(たくひれ)」などの形であらわれ、「万葉集」では、「長き」「千尋」にかかる「栲縄の」、「白」「かけ」にかかる「栲領巾の」など、すべてが枕詞として用いられている。中古以降は海辺の素材として「海女」などと取り合わせた歌が多いが、これは海女の命綱に栲縄を用いたからだという。
(4)のち「栲縄」以外ほとんど詠まれなくなり、「古今集」以降の八代集中には用例を見出せない。
(2)「古事記伝‐一四」では、「栲(たく)」は樹皮を織布として用いるシナノキであるとする。
(3)文学作品には「栲縄(たくなわ)」「栲領巾(たくひれ)」などの形であらわれ、「万葉集」では、「長き」「千尋」にかかる「栲縄の」、「白」「かけ」にかかる「栲領巾の」など、すべてが枕詞として用いられている。中古以降は海辺の素材として「海女」などと取り合わせた歌が多いが、これは海女の命綱に栲縄を用いたからだという。
(4)のち「栲縄」以外ほとんど詠まれなくなり、「古今集」以降の八代集中には用例を見出せない。
たえ たへ【栲】
〘名〙
② 布類の総称。
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