日本大百科全書(ニッポニカ) 「桂川(京都市)」の意味・わかりやすい解説
桂川(京都市)
かつらがわ
京都市の西部を南流する川。丹波(たんば)高地に源を発した大堰川(おおいがわ)は、亀岡(かめおか)盆地と京都盆地間は保津川(ほづがわ)といい、京都盆地に流入して淀(よど)川に合流するまでの31キロメートルは桂川と称する。行政上は源から淀川に合流するまでを桂川とし、流域面積1100平方キロメートル、幹線流路延長114キロメートルの一級河川。流域の開発は古く、乙訓(おとくに)古墳群や、桓武(かんむ)天皇の平安遷都以前の長岡京跡がある。また灌漑(かんがい)用水としては、すでに5世紀に渡来氏族秦(はた)氏によって開発され、江戸時代には友禅染めの水洗いに用いられた。現在でも沿岸の嵯峨(さが)、梅津(うめづ)、西京極(にしきょうごく)などには多くの染色工場が分布する。淀川との合流点一帯の低地には、洛南(らくなん)工業地域の一環として工場が立地する一方、宅地化の発展もみられる。
[織田武雄]
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