桃割(読み)ももわれ

精選版 日本国語大辞典 「桃割」の意味・読み・例文・類語

もも‐われ【桃割】

〘名〙 女の結髪一つ後頭部にまとめた髪で、左右二つの輪に結う。まげの形が桃の実を二つにわったものに似ているのでいう。一六、七歳の少女が結うもの。ももわりいちょう。
※いさなとり(1891)〈幸田露伴〉一「此頃此辺へ流行て来たる桃割(モモワレ)といふ髷にさして」

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改訂新版 世界大百科事典 「桃割」の意味・わかりやすい解説

桃割 (ももわれ)

日本髪一種未婚の女性の髪形であるが,おもに16~17歳ころまでの少女が結う。髷(まげ)が桃を二つに割ったような形であるところから呼ばれた。江戸末期から明治大正~昭和初期に流行した。銀杏(いちよう)返しと同系統の髪形で,髷の根をとり,毛先を二つに分けて左右に輪をつくり,奉書紙をたたんだもので根を巻く。関東と関西では少し髷の趣が異なり,京阪では髷の形も厚く,根に巻く根掛(ねがけ)も派手である。
髪形
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百科事典マイペディア 「桃割」の意味・わかりやすい解説

桃割【ももわれ】

日本髪の一種。モモの実に似た(まげ)の形からこの名がある。銀杏(いちょう)返しの系統で,明治以後若い娘の髪形として唐人髪などとともに流行した。

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世界大百科事典(旧版)内の桃割の言及

【髪形】より

…幼児のおもに男子の髪形に,髪を剃り落とし,部分的に髪を残した髪形が近世より流行し,芥子坊(けしぼう),ごんべ(権兵衛),ぼんのくぼ(盆の窪)などの名がある。江戸後期から明治にかけて,女子は少女期になると,髷をつけ,おたばこ盆,桃割(ももわれ),結綿(ゆいわた),島田と,嫁入前まで年齢に応じて結い分けられていた。【橋本 澄子】
[明治以降]
 1871年(明治4)の〈散髪脱刀令〉は,従来の一般男子の丁髷(ちよんまげ)が外国と対等に付合いをする支障になるからという,外交上の目的から発せられたが,一般には〈文明開化のシンボル〉として受け取られていた。…

※「桃割」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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