桃林亭東玉(読み)とうりんていとうぎょく

改訂新版 世界大百科事典 「桃林亭東玉」の意味・わかりやすい解説

桃林亭東玉 (とうりんていとうぎょく)
生没年:1786-1849(天明6-嘉永2)

江戸末期の軍談師。講談史に残る名人として知られる。本名阿部桃次郎。禅宗の僧から還俗(げんぞく)して講釈師となる。初め桃玉と名乗り,通俗的な読み口で婦女子の人気を博した。〈東都の玉〉と称されたところから,東玉と名を改め,大坂に上る。〈講釈師は学者に非ず,芸人なり〉を信条としたが,文,絵画にも長じ,風流のたしなみもあった。〈人問はば友達どもが迎ひにて浄土の席を打つと答へよ〉の辞世を残して死去した。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「桃林亭東玉」の解説

桃林亭東玉 とうりんてい-とうぎょく

1786-1849 江戸時代後期の講釈師。
天明6年生まれ。禅僧から還俗(げんぞく)し,塚田太琉と名のって江戸で活躍。平易な講釈が好評で,天保(てんぽう)8年大坂での旅興行でも人気を博し,「東都の玉」と称された。東玉の名はこれによるという。嘉永(かえい)2年8月19日死去。64歳。姓は阿部。通称は桃次郎。号は玉整。
格言など】人問はば友達どもが迎ひにて浄土の席を打つと答へよ(辞世)

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

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