桐原城(読み)きりはらじょう

日本の城がわかる事典 「桐原城」の解説

きりはらじょう【桐原城】

長野県松本市にあった山城(やまじろ)。1460年(寛正1)ごろに、小笠原清宗に属した桐原真智(犬甘(いぬかい)城主の犬甘政徳の弟)により築かれたとされている。小笠原氏に属した城の中で、とりわけ規模が大きく、石組みの技法を駆使した大規模な石垣のあった城郭である。1550年(天文19)、甲斐の武田晴信(武田信玄)は小笠原長時の属城を次々と攻撃したが、林城(同市)、深志城(同市、のちの松本城)、岡田城(同市)、山家城(同市、中入城とも)とともに自落した。長時は村上義清塩田城に逃れ、周辺の諸城の城主が次々と武田氏に降伏する中、桐原城の桐原氏は長時に忠誠をつくし、一時期長時を城に迎えた後、村上吉清を頼ったといわれる。小笠原長時とその勢力をくだした武田勢は深志城に入城し、晴信は同城を武田氏の拠点として馬場信房、日向是吉を城将とした。このとき、桐原城は遠山長左衛門に与えたとする伝承があるが定かではない。そのまま廃城になった可能性もある。城跡には現在、石垣、土塁などの一部の遺構が残っている。JR篠ノ井線・大糸線、松本電鉄松本駅から徒歩約60分(登城口まで)。

出典 講談社日本の城がわかる事典について 情報

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