桑折(読み)こおり

精選版 日本国語大辞典 「桑折」の意味・読み・例文・類語

こおり こをり【桑折】

福島県北東部の地名奥州街道の瀬ノ上と藤田の間にあった旧宿駅で、羽州街道との分岐点。現在はJR東北本線が通じる。幕府直轄の半田銀山もあった。くわおり。桑島。

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改訂新版 世界大百科事典 「桑折」の意味・わかりやすい解説

桑折[町] (こおり)

福島県北部,伊達郡の町。人口1万2853(2010)。中通り北部,阿武隈川中流左岸に位置し,西は福島市に接する。源頼朝の奥州征伐の後,伊達氏が西部の万正寺の赤館に城を築いた。中心の桑折は江戸時代は奥州街道と羽州街道の分岐点の宿場町として発達し,阿武隈川舟運の中継点でもあった。慶長期(1596-1615)に開発された北部の半田銀山は江戸後期に最盛期を迎え,佐渡生野と並び称される有力な銀山となり,幕府の直轄地として桑折代官所が置かれた。明治期には伊達郡役所が設置され,中通り北部の中心地として発展した。旧郡役所は木造2階建て,物見塔のある西洋建築で重要文化財に指定されている。第2次大戦前までの農業は米作養蚕が中心であったが,戦後養蚕に代わって桃,リンゴなどの果樹栽培が盛んになり,近年は施設園芸による野菜の生産も増加している。昭和初期に生糸工業が立地し,小規模ながら繊維,食品,電気機器工業がある。福島市との交通の便がよく商業は振るわない。JR東北本線,国道4号線が通じる。
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