桓公[斉](読み)かんこう[せい](英語表記)Huan-gong; Huan-Kung

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「桓公[斉]」の意味・わかりやすい解説

桓公[斉]
かんこう[せい]
Huan-gong; Huan-Kung

[生]?
[没]桓公43(前643)
中国,春秋時代前期の君主 (在位前 685~643) で五覇の一人。姓は姜 (きょう) ,名は小白,父は釐公 (きこう) 。兄襄公が殺されたあと異母弟の子糾と争って破り,斉君となる。鮑叔 (ほうしゅく) の推薦で子糾の臣であった管仲を用い,その政策で国内の経済改革を断行して富国強兵を成功させ,夷狄 (いてき) の侵入をたびたび撃退して中原諸国を防衛する一方,桓公 30 (前 656) 年には諸国の連合軍を率いて南方の強国楚の北上を阻止し,召陵 (河南省) で講和条約を結ばせた。同 35年には葵丘 (ききゅう。河南省) の地に諸侯を集めて盟約を結び,覇者となった (→葵邱の会 ) 。これが春秋時代の覇者の始りである。管仲や隰朋 (しゅうほう) らの名臣に先立たれてから力を失い,まもなく死去。すぐ相続争いが起り,2ヵ月も葬られなかったという。素行上の批判も多いが,先秦時代の大君主。斉はその後国力が衰退し,覇業は桓公1代で終った。

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