(読み)かじ

精選版 日本国語大辞典 「梶」の意味・読み・例文・類語

かじ かぢ【梶】

〘名〙
植物かじのき(梶木)」の古名。〔十巻本和名抄(934頃)〕
② 襲(かさね)色目一種。表、裏ともに萌葱色で、七月に用いる(桃花蘂葉(1480))。

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デジタル大辞泉 「梶」の意味・読み・例文・類語

かじ〔かぢ〕【×梶/×楮/構/×榖】

カジノキの古名。〈和名抄
かさねの色目の名。表裏ともに萌葱もえぎで、初秋ころに用いる。

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朝日日本歴史人物事典 「梶」の解説

生年生没年不詳
江戸時代の歌人。家集『梶の葉』が刊行された宝永4(1707)年には在世している。京の祇園社のほとりにある茶店の女主人。父母孝行を尽くす一方で草子や歌物語を好み,いつしか和歌に通じるようになった。戯れの歌を詠みかけて返歌を求めたり,田舎への土産に和歌を所望する人が絶えず,茶店は繁盛したという。伴蒿蹊著『近世畸人伝』にも採り上げられるなど,当時の京ではアイドル的存在であったらしい。茶店を継いだ百合,その娘の町子(池大雅妻玉瀾)を総称して「祇園三女」という。『梶の葉』の序文と『近世畸人伝』以外にはその実像を物語る資料が乏しい。

(久保田啓一)

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