20世紀日本人名事典 「森 茉莉」の解説
森 茉莉
モリ マリ
- 生年
- 明治36(1903)年1月7日
- 没年
- 昭和62(1987)年6月6日
- 出生地
- 東京
- 学歴〔年〕
- 仏英和高等女学校〔大正8年〕卒
- 主な受賞名〔年〕
- 日本エッセイスト・クラブ賞(第5回)〔昭和32年〕「父の帽子」,田村俊子賞(第2回)〔昭和36年〕「恋人たちの森」,泉鏡花文学賞(第3回)〔昭和50年〕「甘い蜜の部屋」
- 経歴
- 父は明治の文豪・森鷗外。17歳で仏文学者山田珠樹と結婚したが離婚し、のち仏文学者佐藤彰と結婚したが再び離婚。以後、文学への道を歩み、室生犀星に師事。昭和32年鷗外を回想した随筆集「父の帽子」を刊行し、日本エッセイスト・クラブ賞を受賞、50歳を過ぎて作家としてスタートした。36年小説「恋人たちの森」で田村俊子賞を、50年「甘い蜜の部屋」で泉鏡花文学賞を受賞。エッセイや日常生活の中の小さな出来事を描きつつ、貴族趣味的な美意識を漂わせた独特の私小説などを、ゆっくりしたペースで書き続けた。他の作品に小説「贅沢貧乏」「枯葉の寝床」、エッセイ「靴の音」「私の美の世界」「マリアの気紛れ書き」「記憶の絵」「薔薇くひ姫」、翻訳「マドゥモァゼル・ルウルウ」などがあるほか、「森茉莉・ロマンとエッセー」(全6巻)、編集者に送った手紙をまとめた「ぼやきと怒りのマリア」がある。
出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報