森川竹窓(読み)もりかわ・ちくそう

朝日日本歴史人物事典 「森川竹窓」の解説

森川竹窓

没年:天保1.11.2(1830.12.16)
生年:宝暦13(1763)
江戸後期の書家,篆刻家。名は世黄,字は離吉,号は竹窓また良翁,通称曹吾。大和(奈良県)の生まれ。一時期,江戸に出て秋田藩佐竹氏に仕えたが,のち大坂に移り住んだ。書は岳玉淵のもとで古法帖の臨書を中心に学んだ。特に篆書,隷書を得意とし,加えて篆刻にも独自の境地を開拓した。著述に,日本の古名蹟を模刻集録した『集古浪華帖』,款識(古代青銅器に刻まれた文字)について論じた『款藪』をはじめ,『草行集字句選』『雨栗余情』『浪華の家つと』などがある。また,松平定信の『集古十種』の編纂にも参画した。

(永由徳夫)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「森川竹窓」の解説

森川竹窓 もりかわ-ちくそう

1763-1830 江戸時代後期の書家。
宝暦13年生まれ。書を岳玉淵(おか-ぎょくえん)にまなび,大坂にすむ。日本の古名筆を臨模し,「集古浪華帖(なにわじょう)」を刊行。松平定信の「集古十種」編集にもくわわった。文政13年11月2日死去。68歳。大和(奈良県)出身。名は世黄。字(あざな)は離吉。通称は曹吾。別号に良翁。

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