森庄一郎(読み)もり・しょういちろう

朝日日本歴史人物事典 「森庄一郎」の解説

森庄一郎

没年:大正5.12.15(1916)
生年弘化3.11.1(1846.12.18)
明治初期奈良県吉野の山元木材商人,林業老農。大和国(奈良県)吉野郡川上村北和田に生まれる。『吉野林業全書』(土倉庄三郎校閲,1898),『実用重要樹造林の栞』(1914)の著者。明治10年代の川上村材木方惣代をはじめ,村方指導者のひとりとして活躍。『全書』では吉野地方で古くから実践されていた密植,多間伐を特徴とするいわゆる吉野林業技術を詳述し,スギ,ヒノキを中心とする人工造林技術の発展に貢献した。『栞』ではタケを含め針葉樹,広葉樹20種余の造林法を実際の知識と独学で得た林学の知識によって記述した。明治20~30年代には招かれて巡回林業教師となり,山口県,島根県で活躍した。<参考文献>赤羽武他「『吉野林業全書』解題」(『明治農書全集』13巻),土倉祥子『評伝土倉庄三郎』

(赤羽武)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「森庄一郎」の解説

森庄一郎 もり-しょういちろう

1846-1916 明治-大正時代の林業家。
弘化(こうか)3年11月1日生まれ。奈良県吉野郡川上村の材木商。林業巡回講師として山口県,島根県などで指導。明治31年スギ,ヒノキの造林から市場取引までを詳述した「吉野林業全書」をあらわした。大正5年12月15日死去。71歳。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

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