森銑三(読み)モリセンゾウ

デジタル大辞泉 「森銑三」の意味・読み・例文・類語

もり‐せんぞう〔‐センザウ〕【森銑三】

[1895~1985]書誌学者。愛知の生まれ。東京帝大史料編纂所勤務。近世近代人物伝記や書誌を研究、多くの埋もれた人物を発掘したことで知られる。著作に「渡辺崋山」「おらんだ正月」「西鶴西鶴本」など。

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百科事典マイペディア 「森銑三」の意味・わかりやすい解説

森銑三【もりせんぞう】

近世学芸史研究家。筆名刈谷新三郎,閑々子など。愛知県生れ。文部省図書館講習所卒。刈谷図書館村上文庫の整理・目録編纂,東大史料編纂所勤務,尾張徳川家蓬左文庫主任を経て,戦後早大で書誌学を講ずる。近世学芸史上の埋もれた人物に深い関心を抱き,博捜資料を駆使して精緻な史伝をものにする。《近世文芸史研究》《おらんだ正月》などはその成果。また西鶴浮世草子など近世文学研究に新生面を開き,《西鶴本叢考》などに結実

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「森銑三」の意味・わかりやすい解説

森銑三
もりせんぞう
(1895―1985)

近世学芸史研究家。愛知県生まれ。東京・築地の工手学校予科修了後、郷里の刈谷図書館を経て、東京帝国大学史料編纂(へんさん)所に勤め、主として近世の人物研究を志し、『渡辺崋山(かざん)』(1941)ほか著書がある。第二次世界大戦後は井原西鶴(さいかく)研究の分野で『西鶴と西鶴本』(1955)などに独自の見解を示し、『古い雑誌から』(1956)、『明治人物夜話』(1969)、『思ひ出すことども』(1975)といった随筆類にも、その見識がうかがわれる。

保昌正夫

『『森銑三著作集』12巻・別巻1(1970~71・中央公論社)』

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「森銑三」の解説

森銑三 もり-せんぞう

1895-1985 大正-昭和時代の書誌学者。
明治28年9月11日生まれ。東京帝大史料編纂(へんさん)所,尾張(おわり)徳川家蓬左(ほうさ)文庫につとめ,戦後は早大で書誌学を講義。近世学芸史を研究し,資料を探索してうもれていた人物を発掘した。昭和60年3月7日死去。89歳。愛知県出身。文部省図書館講習所卒。著作に「おらんだ正月」「松本奎堂(けいどう)」「西鶴と西鶴本」など。

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