検校・撿挍(読み)けんぎょう

精選版 日本国語大辞典 「検校・撿挍」の意味・読み・例文・類語

けん‐ぎょう ‥ゲウ【検校・撿挍】

[1] 〘名〙
① (━する) 物事を点検し、誤りをただすこと。また、その職。けんこう。
※続日本紀‐慶雲三年(706)閏正月戊午「令下二諸司色撿挍相知
② (━する) 特に、寺社の事務、僧尼の監督などをすること。また、その職。
※霊異記(810‐824)上「僧尼を撿挍し」
平家(13C前)一「宮寺にかかる不思議なしとて、時の検校匡清法印奏聞す」
③ 一山、一寺の頭領高野東大寺熊野あるいは楞厳院(りょうごんいん)、平等院などに置かれた職名。また、醍醐寺では前座主の称。
※醍醐寺新要録(1620)「座主・検校〈譲与資於座主職後号検校〉」
荘園の職員の一つ。荘官の最高責任者。平安・鎌倉時代に見える。
※三代格‐一九・延喜二年(902)三月一三日「仍湏仮号庄家国致妨者科違勑罪物皆没官。其称使及庄撿挍専当預等
盲人に与えられた最高の官名。撞木杖(しゅもくづえ)、紫衣を許された。検校職。建業。
※太平記(14C後)二一「真都(しんいち)と覚都撿挍(ケンゲウ)と、二人つれ平家を歌ひけるに」
[2] 赤楽茶碗。陶工長次郎作、七種茶碗の銘の一つ。

けん‐こう ‥カウ【検校・撿挍】

〘名〙 物事を調査し考え合わせること。取りしらべること。けんぎょう。
※大小学校建議(1869)〈加藤有隣〉「書記一人 名薄を掌り句読師と同く勤怠を検校す」 〔隋煬帝‐巡省風俗詔〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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