榎本弥左衛門覚書(読み)えのもとやざえもんおぼえがき

日本歴史地名大系 「榎本弥左衛門覚書」の解説

榎本弥左衛門覚書
えのもとやざえもんおぼえがき

二冊

原本 榎本寿々子

解説 榎本家四代目弥左衛門忠重の覚書。「万之覚」と「三ツ子よりの覚」の二冊からなる。榎本家は川越城下の草分商家の一で本町名主も勤めた。「万之覚」は寛永二一年から万治三年にわたり、忠重が本業の塩のほか各種産物を取引していた時代の江戸・川越近在の物価や農村事情について記す。「三ツ子よりの覚」は三歳のときからの自身のこと、物価の変動世間について編年体で記述したもの。

活字本川越市史史料編近世II

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

改訂新版 世界大百科事典 「榎本弥左衛門覚書」の意味・わかりやすい解説

榎本弥左衛門覚書 (えのもとやざえもんおぼえがき)

江戸前期武蔵国川越の商人榎本弥左衛門忠重(1625-86)が記録した2冊の覚書。彼は1639年(寛永16)から死の直前まで川越,江戸で下り塩,米雑穀などを商い,3歳からの生涯追懐記述した《三ツ子ゟ之覚》(1680-84),商売世相事件などを雑多に記した《万之覚》(1680)を残し,貴重な史料とした。《川越市史》史料編近世IIに収録
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