槐門(読み)かいもん

精選版 日本国語大辞典 「槐門」の意味・読み・例文・類語

かい‐もん クヮイ‥【槐門】

〘名〙 (中国の周の時代朝廷に槐(えんじゅ)の木を三本植え、太政大臣、左右大臣がこれに向かって座したところから) 大臣の家柄、また大臣の異称槐位
※本朝文粋(1060頃)一四・為謙徳公報恩修善願文〈菅原文時〉「家既槐門。何復待厚祿而猶予」
※金刀比羅本保元(1220頃か)下「且は三台槐門(クヮイモン)の家に生れ、且は丞相大臣の墳墓を忽ち穿って」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「槐門」の意味・読み・例文・類語

かい‐もん〔クワイ‐〕【×槐門】

《中国の周代、朝廷に3本のえんじゅの木を植えて、それに面して三公の座を定めたところから》大臣の家柄、また、大臣の異称。槐位。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

日本大百科全書(ニッポニカ) 「槐門」の意味・わかりやすい解説

槐門
かいもん

中国、周代に天子を補佐した三公(太子、大傅(たいふ)、太保(たいほう))の別称。朝廷に3本の槐(かい)(エンジュ)を植えて、三公のつく位置を定めた、とある『周礼(しゅらい)』の故事による名で、槐位、槐庭三槐などともいい、九卿(きゅうけい)(少師、少傅、少保など)が9本の棘(きょく)(イバラ)に面して座居を占めたこととあわせて、槐(かい)棘といって三公九卿(大臣)を総称する。日本では、太政(だいじょう)大臣、左大臣、右大臣を三公にあてたことから、大臣の唐名として用いる。

[宇田敏彦]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

普及版 字通 「槐門」の読み・字形・画数・意味

【槐門】かいもん

三公。

字通「槐」の項目を見る

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

今日のキーワード

脂質異常症治療薬

血液中の脂質(トリグリセリド、コレステロールなど)濃度が基準値の範囲内にない状態(脂質異常症)に対し用いられる薬剤。スタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬)、PCSK9阻害薬、MTP阻害薬、レジン(陰...

脂質異常症治療薬の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android