樊籠(読み)ハンロウ

デジタル大辞泉 「樊籠」の意味・読み・例文・類語

はん‐ろう【×樊籠】

《「ばんろう」とも》
鳥かご。
人の身を束縛するもの。
「僕はここに―を出ずるの機会を得た」〈蘆花思出の記
仏語煩悩ぼんのうに縛られていること。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「樊籠」の意味・読み・例文・類語

はん‐ろう【樊籠】

〘名〙 (「ばんろう」とも)
① とりかご。
菅家文草(900頃)四・遊覧偶吟「鳥出樊籠翅不傷、青山碧海任低昂」 〔劉兼‐秋夕書事詩〕
② 束縛され自由が得られないこと。身の自由を縛ったり、時間を拘束したりするもの。
本朝無題詩(1162‐64頃)一〇・東山道場即事〈藤原周光〉「豈図窮鳥蒙微命、適出樊籠仏居」 〔陶潜‐帰園田居詩〕
③ 仏語。煩悩に縛られていること。また、三界の迷いをいう。
※本朝無題詩(1162‐64頃)八・秋日長楽寺即事〈藤原周光〉「塵妄世縁皆謝遣、可歓今日出樊籠

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普及版 字通 「樊籠」の読み・字形・画数・意味

【樊籠】はんろう

とりかご。晋・陶潜〔園田の居に帰る、五首、一〕詩 に塵雜無く 室に餘閑り 久しく樊籠の裡(うち)に在りしも 復(ま)た自然にることを得たり

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