権利の請願(読み)けんりのせいがん

精選版 日本国語大辞典 「権利の請願」の意味・読み・例文・類語

けんりのせいがん ケンリのセイグヮン【権利の請願】

(Petition of Right訳語) 一六二八年、イギリス議会がチャールズ一世に提出した請願従来承認されていた人民権利確認を求めたもので、議会協賛を得ずに寄付課税などを強要しないこと、みだりに逮捕投獄しないことなどが述べられている。マグナカルタ大憲章)、権利章典などとともに、イギリスの憲政史上重要な文書の一つ。

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山川 世界史小辞典 改訂新版 「権利の請願」の解説

権利の請願(けんりのせいがん)
Petition of Right

1628年クックが中心になって起草し,イングランド議会に提出された文書。全文11条からなり,借上げ金の強制,恣意的な課税,不法な逮捕・投獄,軍隊の強制宿泊,軍法裁判の乱用などの国王の行為は,イングランド人の歴史的な権利を侵害するものと批判した。いったんこれを受諾したチャールズ1世は翌年議会を解散して,議会を開かぬ専制支配を始めた。成文憲法を持たないイギリスにおいて,この文書はマグナ・カルタ権利の章典と並んで,最重要の法典とみなされるようになった。

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旺文社世界史事典 三訂版 「権利の請願」の解説

権利の請願
けんりのせいがん
Petition of Rights

1628年5月,イギリス議会がチャールズ1世に提出した請願書で,イギリス憲政史上の重要文書の1つ
不法投獄,軍事裁判兵隊民家への強制宿泊,不法課税などに反対している。王は1度は承認したが,実際にはこれを無視し,1629年議会を解散して以後11年間議会を召集せず,ピューリタン革命原因をつくった。

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