横流（読み）オウリュウ

デジタル大辞泉

おう‐りゅう〔ワウリウ〕【横流】

［名］(スル)あふれ流れること。勝手な方向に流れ出ること。
「液体は、いたずらに女の顔を…うす黒く―するだけで」〈芥川・偸盗〉

出典　小学館

精選版 日本国語大辞典

よこ‐ながれ【横流】

〘名〙

① 横に流れること。

※偸盗（1917）〈芥川龍之介〉五「液体は、徒に女の顔を、眼と云はず、鼻と云はず、うす黒く横流(ヨコナガレ)するだけで」

② 品物が正規でない方法で取引されること。また、その品物。

※経済実相報告書（1947）三「これ以上の遅配をくい止め、横流れを絶滅するために」

よこ‐ながし【横流】

〘名〙 配給品、統制品などを、正規の手続きを経ないで他へ転売すること。

※春の城（1952）〈阿川弘之〉三「岩塩の横流しとか、民間の業者との結託とか」

おう‐りゅう ワウリウ【横流】

〘名〙 水が勝手な方向に流れたり、あふれ出して流れたりすること。転じて、よくない物事が盛んに行なわれるようになること。〔落葉集（1598）〕〔孟子‐滕文公・上〕

出典　精選版 日本国語大辞典

普及版 字通

【横流】おうりゆう（わうりう）

水がはびこり流れる。〔孟子、文公上〕堯の時に當り、天下ほ未だらかならず。洪水し、天下に氾濫(はんらん)す。

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出典　平凡社「普及版 字通」