機密費(読み)きみつひ

精選版 日本国語大辞典 「機密費」の意味・読み・例文・類語

きみつ‐ひ【機密費】

〘名〙 機密のことに使用する費用。特に、政府軍部などが機密の事項に使用する費用。
※山形新報‐明治二一年(1888)一二月一三日「今年府県会紛議の焼点と云ふべきは彼の機密費なるが」

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デジタル大辞泉 「機密費」の意味・読み・例文・類語

きみつ‐ひ【機密費】

支出内容を明らかにしないで、機密の用途に充てる費用。
特に、「官房機密費(→内閣官房報償費)」「外交機密費(→外務省報償費)」などの略。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「機密費」の意味・わかりやすい解説

機密費
きみつひ

政府機関が機密の事項に使うため他からの制約なく支出しうる経費。明治憲法下においては、歳出予算の一費目として認められ、会計検査院の検査対象からも外れていたが、日本国憲法下では、国の収入支出の決算はすべて会計検査院がこれを検査するものとされており(90条1項)、こうした費目は認められていない。

 報償費、食糧費、交際費など、その使用について裁量が認められているものの俗称として機密費の語が用いられることもある。内閣官房の事務の円滑効果的な遂行のため、当面任務と状況に応じて機動的に使用することを目的とした経費とされている内閣官房報償費については、各月における支払合計額等は情報公開法(正称「行政機関の保有する情報の公開に関する法律」平成11年法律第42号)における非開示情報に該当しないが、支払相手方、具体的使途やこれを相当程度の確実さで特定できる情報は、国の安全等に関する情報(5条3号)または事務事業関連情報(5条6号)の非開示情報に該当するものとされた。

[北見宏介 2022年5月20日]

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