欄干(読み)ランカン

デジタル大辞泉 「欄干」の意味・読み・例文・類語

らん‐かん【欄干/×闌干】

[ト・タル][文][形動タリ]
星や月の光があざやかなさま。
武蔵野の冬の夜更て星斗―たる時」〈独歩武蔵野
涙が盛んに流れるさま。
「涙―として魂飛揚すと見えて」〈古活字本保元・中〉

らん‐かん【欄干/×闌干/欄×杆】

橋・階段などの縁に、人が落ちるのを防ぎ、また装飾ともするために柵状に作り付けたもの。てすり。
[類語]手摺り

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日本歴史地名大系 「欄干」の解説

欄干
らんかん

[現在地名]福知山市字堀 欄干

福知山城の搦手の東の出口の門を欄干門といい、その付近を小字欄干という。

有馬豊氏時代(慶長―元和)の福智山城之絵図には欄干門という名は記されないが、城堀の橋や門の建物が描かれ、門内に長方形の池を描き、「右ハ馬ヒヤシ所」とある。中世古城跡にはしばしば「馬冷池」という名称が残るが、近世城郭にこのように明示されるのは珍しい。

稲葉紀通時代(寛永―正保)の福知山城下図をみると、前者と同様に門と橋を描き、「(裏)ノ門 ランカン橋」と記し、橋よりまっすぐに東方へ一直線の道(飛脚縄手とよんだ)を描き、その端に「京海道」とある。

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改訂新版 世界大百科事典 「欄干」の意味・わかりやすい解説

欄干 (らんかん)

橋または建物の外縁などに縦横に材をわたして,人の墜落を防ぐ手すりで,装飾を兼ねるものもある。高欄(こうらん)に同じ。闌干とも書く。中国建築では欄杆と称し,基壇の周縁部,回廊の周囲,出窓の外側などにも常用される。橋や基壇の欄杆は石造が通例で,親柱や束(つか),腰羽目板には文様彫刻が施される場合が多く,また回廊や出窓の木造の欄杆にも,簡素な手すりから,文様格子もはめこんだもの,背もたれ式,腰掛け式などさまざまな形式がある。
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普及版 字通 「欄干」の読み・字形・画数・意味

【欄干】らんかん

てすり。おばしま。唐・元〔連昌宮詞〕詩 上皇方(まさ)に仙樓に在り 太眞同(とも)に干に凭(よ)りて立つ

字通「欄」の項目を見る

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「欄干」の意味・わかりやすい解説

欄干
らんかん

橋または建物の縁側廊下、階段などの側辺に縦横に材を渡して人の墜落を防ぐもの。装飾を兼ねるものもある。高欄(こうらん)と同じで、「手すり」「おばしま」ともいう。近代では住居の出窓やベランダの外側などにも常用されるが、素材には石、金属木材合成樹脂など種々あり、形式も実用一辺倒のものから、装飾性の強いものまで多様である。

[工藤圭章]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「欄干」の意味・わかりやすい解説

欄干
らんかん
baluster

建築用語。勾欄とも。縁まわり,階段,バルコニーや橋などで,墜落防止用につけられた手すりで,通常,手すりの横材を支える垂直材が装飾的に処理される場合が多い。また西洋建築では階段やバルコニー,ベランダに連続的な装飾のあるものをバラストレードという。

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百科事典マイペディア 「欄干」の意味・わかりやすい解説

欄干【らんかん】

橋,または建物の縁側などにとりつけて人の墜落を防ぎ,あるいは装飾とするもの。手摺(てすり)とも。→高(こう)欄

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