デジタル大辞泉
「欧州中央銀行」の意味・読み・例文・類語
おうしゅう‐ちゅうおうぎんこう〔オウシウチユウアウギンカウ〕【欧州中央銀行】
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知恵蔵
「欧州中央銀行」の解説
欧州中央銀行
ユーロ圏の単一金融政策を担う中央銀行。欧州連合条約(マーストリヒト条約)によって、欧州通貨機構(EMI、欧州経済通貨同盟(EMU)の単一通貨ユーロの導入を準備)を引き継ぎ、1998年6月ブリュッセル欧州理事会において設立が決定された。本部はドイツのフランクフルト。ユーロ圏の金融政策は、ECBが一元的に意思決定し、各国中央銀行が自国の公開市場操作等を実施する。物貨安定の維持を目標とするECBはユーロ未加盟国の中央銀行を含めた各国中央銀行とあわせて欧州中央銀行制度(ESCB:the European System of Central Banks)を構成し、ともに高い独立性を有している。その意思決定は、各国政府、欧州委員会などEU機関に直接影響を受けない。ECBの最高意思決定機関は、総裁、理事、EMU加盟国の中央銀行総裁で構成される政策理事会である。非ユーロ圏の中央銀行総裁も含む一般理事会はユーロ圏と非ユーロ圏との協調の場である。ECB初代総裁はオランダのドイセンベルク。現在の総裁はジャン=クロード・トリシェ(前フランス中央銀行総裁)。
欧州中央銀行
ECBは欧州単一通貨ユーロを導入したユーロ圏の中央銀行であり、1998年6月に欧州通貨機構(EMI:European Monetary Institute)を継承し、フランクフルトに設立された。最高意思決定機関である政策委員会(Governing Council)、金融政策を執行し、ECBの日常業務の管理運営等を行う役員会(Executive Board)及び諮問機関的な一般委員会(General Council)の3つの機関を有し、圏内の物価安定を最終目標としている。ESCBはECBとEU加盟各国中央銀行とで構成されるが、現在は過渡的にECBとユーロ参加国中央銀行からなるユーロシステムがユーロ圏の金融政策を一元的に運営する。ESCBの基本的業務は、(1)域内の金融政策の策定と実施、(2)外国為替操作、(3)加盟国の外貨準備の保有と運用、(4)支払い決済システムの円滑な運営、など。ESCBは、EU、各国政府、その他いかなる機関からも、独立性が確保されている。
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