歌女(読み)カジョ

デジタル大辞泉 「歌女」の意味・読み・例文・類語

か‐じょ〔‐ヂヨ〕【歌女】

宴席などで歌をうたう芸妓。うため。
「いわゆる狭邪きょうしゃの地でどの家にも―を養っている」〈鴎外魚玄機
ミミズ異称
律令制で、雅楽寮に属して舞楽のときに歌をうたう女。うため。

うた‐め【歌女】

歌い」に同じ。
古代雅楽寮に属した女の歌い手。⇔歌男うたお

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「歌女」の意味・読み・例文・類語

か‐じょ ‥ヂョ【歌女】

〘名〙
令制で、治部省の雅楽寮に属し、舞楽のときに歌をうたう女。うため。〔令義解(718)〕
職業としてうたう女性。うため。うたいめ。〔日葡辞書(1603‐04)〕〔孟郊‐晩雪詩〕
③ 「みみず(蚯蚓)」の異名。〔本草和名(918頃)〕
塵袋(1264‐88頃)四「みみずを歌女云ひてうたうたふ事あり。但しみみずのうたと云ふは多分けらのなくことは一定、みみずの証いまだみず、なけばこそは歌女の名はあるらめと思ふばかり也」
④ (秋の夜、涼しい声で鳴くので、これを俗に「歌女鳴く」とか「みみず鳴く」とかいうところから) 昆虫けら(螻蛄)」の異名。

うた‐め【歌女】

〘名〙
① わが国に古来伝わる歌を曲節を付けて歌うことに従事した女。⇔歌男(うたお)。〔令義解(718)〕
酒宴の席にはべり、音楽舞踊などでその興を助けるのを業とする女。うたいめ。歌妓。芸妓。
今昔(1120頃か)一三「諸(もろもろ)遊女傀儡(くぐつ)等の歌女を招て詠ひ遊ぶを常に業とす」

うたい‐め うたひ‥【歌女】

〘名〙 歌などでその場の興を助けるのを業とする女。芸者。芸妓。
読本繁野話(1766)五上「妓(ウタヒメ)を娶り帰ると聞かば」

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