歌舞伎・歌舞妓(読み)かぶき

精選版 日本国語大辞典 「歌舞伎・歌舞妓」の意味・読み・例文・類語

かぶき【歌舞伎・歌舞妓】

〘名〙 (動詞「かぶく(傾)」の連用形の名詞化)
① 並みはずれて華美な風態をしたり、異様な言動や色めいたふるまいをすること。
※寒川入道筆記(1613頃)愚痴文盲者口状之事「此五六日以前にかぶき大将が死にまらした」
② 近世初期に発生、発達した日本固有の演劇。慶長八年(一六〇三)頃、出雲大社巫女(みこ)阿国(おくに)が京都で念仏踊りを興行したのが初めといわれ、人気を集めたが、風俗を乱すとして禁止になった。代わって美少年中心の若衆歌舞伎や野郎歌舞伎が出現し、次第に技芸本位のものとなり、元祿一六八八‐一七〇四)以後多数の名優を輩出した。舞踊、科白、音楽を混交させた伝統演劇として完成し、現在に及ぶ。歌舞伎劇。歌舞伎芝居。歌舞伎物真似。
※慶長見聞集(1614)二「此歌舞妓をこそ見めと老若貴賤群集し見物す」
[語誌]②の意に「歌舞する女性」という意味の「歌舞妃」「歌舞妓」などの字が当てられ、「歌舞伎」と書くのが一般的になったのは明治以後である。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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