武備志(読み)ぶびし(英語表記)Wǔ bèi zhì

改訂新版 世界大百科事典 「武備志」の意味・わかりやすい解説

武備志 (ぶびし)
Wǔ bèi zhì

中国,明代の兵書。茅元儀著。240巻。1621年(天啓1)に成る。著者少時より兵家の学を好み,2000余種の書物を資料として歴代戦術を詳述した。ことに明代の形勢を述べた部分は最も史料価値が高く,明代史研究の重要文献である。なお書中には戦陣図や地図をも収録しているが,中でも〈鄭和航海図〉は南海史研究の重要史料となっている。天啓刊本のほかに,1664年(寛文4)刊の和刻本がある。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android