武田成章(読み)たけだなりあき

改訂新版 世界大百科事典 「武田成章」の意味・わかりやすい解説

武田成章 (たけだなりあき)
生没年:1827-80(文政10-明治13)

幕末から明治初年の開明的兵学者。名は斐,通称斐三郎(あやさぶろう)。伊予大洲に生まれ,緒方洪庵門,伊東玄朴門等で苦学洋学に通じ,のち兵学に関心を移し佐久間象山とも親交砲台溶鉱炉の技術に明るかった。1854年(安政1)より松前藩にて出仕五稜郭築城に尽力し,また再三北海沿海を航海し北辺防備のための事情視察に努めた。その後幕府より開成所教授職扱,銃砲鋳造所主任,砲兵頭等に抜擢ばつてき)され,武官として活躍。維新後は兵部省に出仕し陸軍創設に足跡を残した。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「武田成章」の解説

武田成章 たけだ-なりあき

1827-1880 幕末-明治時代の兵学者。
文政10年9月15日生まれ。緒方洪庵,佐久間象山(しょうざん)らに蘭学や兵学をまなぶ。幕府に出仕して箱館で五稜郭(ごりょうかく)の築城や洋学の教授にあたり,のち開成所教授,砲兵頭となる。維新後は兵部省にはいり,士官学校教授,陸軍幼年学校長などを歴任。陸軍大佐。明治13年1月28日死去。54歳。伊予(いよ)(愛媛県)出身。通称は斐三郎。号は竹塘。著作に「三浦見聞志」「黒竜江記事」など。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

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