武装と武具[古代ギリシア](読み)ぶそうとぶぐ[こだいギリシア]

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 の解説

武装と武具[古代ギリシア]
ぶそうとぶぐ[こだいギリシア]

ミケーネ時代には牛の背皮でつくった首から吊るす楯と兜のみをつけ,主要な武器として長い細身の剣を用いたらしい。青銅器時代末期にかけて小型の丸い楯が使用されるようになり,それとともに胸甲,すね当てが加わった。剣も突くだけではなく切るためにも使われる短いものに変化した。そののち軽装から重装への変化がみられ,アルカイック期,古典期の代表的兵士重装歩兵 (ホプリタイ) であった。青銅の楯を腕につけ,兜,胸甲,すね当てで身を固め,おもな武器は鉄製突槍,剣であった。剣はおもに接近戦用の短いもの。投槍は軽装兵のみが使用した。前4世紀には,動作に融通のきく装備が発達し,小型の丸楯以外の防具を身につけず,軽い投槍を主要な武器とするタイプ (ペルタスタイ) が一時主となるが,まもなく非常に長い槍と小さな楯のマケドニア型が主流となった。 (→軍制)  

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