歪・飯櫃(読み)いびつ

精選版 日本国語大辞典 「歪・飯櫃」の意味・読み・例文・類語

い‐びつ【歪・飯櫃】

〘名〙 (「いいびつ(飯櫃)」の変化した語)
※松屋会記‐久政茶会記・永祿四年(1561)二月二四日「三の膳 いひつの桶」
② (形動) (飯櫃が長円形であったところから) 長円形。小判形。いびつなり。いびつがた。
俳諧続猿蓑(1698)上「飯櫃なる面桶(めんつ)にはさむ火打鎌〈惟然〉」
③ (①の形に似ているところから) 小判などの金貨銀貨。いびつなり。いびつがた。
雑俳・とはず口(1739)「紋日にも相違あらざる小判(イビツ)の状」
④ (形動) 一般に物の形や状態が整っていないで、ゆがんだりくずれたりしているさま。
(イ) 物の形がゆがんでいるさま。また、その部分。
落語・化物娘(1893)〈禽語楼小さん〉「戸が毀(こわ)れて居るから酷(ひど)く引くと楕円(イビツ)に成るヨ」
(ロ) 動作や状態、性格などがきちんとしていないで、くずれたりひねくれたりしているさま。
滑稽本浮世風呂(1809‐13)三「顔をいびつにそむけて、下目をつかひ」
放浪記(1928‐29)〈林芙美子〉「イビツな男とニンシキフソクの女では」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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