残雪（読み）ザンセツ（英語表記）Canxue

デジタル大辞泉

ざん‐せつ【残雪】

消え残った雪。特に、春になっても消えないで残っている雪。《季 春》「―やごうごうと吹く松の風／鬼城」
[類語]万年雪・根雪・雪・雨・霙みぞれ・氷雨・霰あられ・雹ひょう・白雪はくせつ・白雪しらゆき・ダイヤモンドダスト・淡雪・綿雪・牡丹雪・粉雪・細雪・締まり雪・ざらめ雪・小雪・風花・大雪・豪雪・どか雪・吹雪・吹雪く・地吹雪・雪嵐・暴風雪・ブリザード・雪煙・初雪・新雪・積雪・深雪しんせつ・深雪みゆき・春雪

出典　小学館

精選版 日本国語大辞典

ざん‐せつ【残雪】

〘名〙 消え残っている雪。また、春になってもまだ消えないで残っている雪。《季・春》

※文華秀麗集（818）中・題光上人山院〈錦部彦公〉「寒竹留_二残雪_一、春疏採_二旧山_一」 〔杜審言‐大黼詩〕

のこる【残】 雪(ゆき)

春になっても、まだとけないで残っている雪。ざんせつ。《季・春》 〔至宝抄（寛永一一年本）（1634）〕

出典　精選版 日本国語大辞典

現代外国人名録2016

残雪
ザンセツ
Canxue

職業・肩書

作家

国籍

中国

生年月日

1953年5月30日

出生地

湖南省長沙

本名

鄧 小華(デン シャオホワ)

経歴

父は古参革命家で湖南日報社社長。1957年両親が“右派”とされたため、一家は農村に下放、さまざまな迫害を受けて成長した。小学校卒業後、町工場の製鉄工、組立工などを経て結婚、’79年から仕立て屋を営む夫、老父、息子とともに暮らす。両親の名誉回復後、仕立て屋の傍ら’83年から創作活動に入る。’85年「新創作」誌に短編「汚水の上の石鹼の泡」を寄稿してデビュー。従来の社会主義リアリズムにはない“ことば”の運動感覚は中国文壇に大きな衝撃を与える。国際的にも高い評価を受け、邦訳も多い。また、カフカやボルヘスなどの批評も手がける。他の作品に「天窓」(’86年)、「私の、あの世界でのこと」(’86年)など。邦訳に「蒼老たる浮雲」「カッコウが鳴くあの一瞬」「黄泥街」「夢のかけら」「突囲表演」「最後の恋人」、短編集「廊下に植えた林檎の木」「かつて描かれたことのない境地」、「魂の城 カフカ解読」がある。’90年来日。

出典　日外アソシエーツ「現代外国人名録2016」

普及版 字通

【残雪】ざんせつ

消え残る雪。唐・孟浩然〔除夜〕詩　迢遞(てうてい)たり、三巴の路　(きき)す、里の身　亂山、殘の夜　燭、異の人

字通「残」の項目を見る。

出典　平凡社「普及版 字通」

百科事典マイペディア

残雪【ざんせつ】

現代中国の女性作家。1957年の反右派闘争で新聞社社長の父が粛清され，反革命の娘として迫害された。1979年父が名誉回復され，夫とともに仕立屋を営んだが，1980年代なかばより作品を発表し，邦訳された《黄泥街》（1986年）など一連の作品はどれもプロットは崩壊し，ひたすら怪奇なイメージを繰り返し陳列する，精神分裂症的世界を描いている。

出典　株式会社平凡社