殯宮(読み)ヒンキュウ

デジタル大辞泉 「殯宮」の意味・読み・例文・類語

ひん‐きゅう【×殯宮】

天皇皇族の棺を埋葬の時まで安置しておく仮の御殿。もがりのみや。

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精選版 日本国語大辞典 「殯宮」の意味・読み・例文・類語

ひん‐きゅう【殯宮】

〘名〙 天皇・皇族のひつぎを本葬の日まで仮に安置しておく御殿。あらきのみや。もがりのみや。
続日本紀‐大宝二年(702)一二月乙卯「為殯宮」 〔儀礼‐既夕礼〕

あがり‐の‐みや【殯宮】

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普及版 字通 「殯宮」の読み・字形・画数・意味

【殯宮】ひんきゆう

かりもがりの建物。清・鶚〔亡姫を悼む、十二首、四〕詩 ほ是れ踏(たふせい)、湖の路 殯宮の、斜(しやくん)に對す

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旺文社日本史事典 三訂版 「殯宮」の解説

殯宮
あらきのみや

古代貴人遺体を葬る前にしばらくの間安置しておく場所
「もがりのみや」ともいう。葬祭までは生前と同じく朝夕食膳供え,呪術的歌舞を行って霊魂をしずめた。646年の薄葬令仏教葬送儀礼・火葬影響で衰え,元明天皇以後造られなくなった。

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改訂新版 世界大百科事典 「殯宮」の意味・わかりやすい解説

殯宮 (あらきのみや)

(もがり)

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「殯宮」の意味・わかりやすい解説

殯宮
あらきのみや

「あがりのみや」「もがりのみや」ともいう。古代,天皇の死体を葬送まで安置して祀るところ。古くは喪屋 (もや) を造ってこれにあてたが,元明天皇以後は別に喪屋を造らず,正室または寺院などを用いた。

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世界大百科事典(旧版)内の殯宮の言及

【殯】より

…殯の萌芽形態は,《魏志倭人伝》にすでに見えており,古代日本のみならず,中国南部から中部インド,メラネシア,ポリネシアなどに広く分布する複葬形式の一つと認められる。殯についてとくに注目されるのは,大王の没後,殯宮(もがりのみや)が新たに造営されて,殯宮の内や殯宮を取り囲む空間(殯庭(もがりのにわ))で,各種の諸儀礼が行われたことである。殯宮内では,女性の近親者や土師(はじ)氏,遊部(あそびべ)などが,亡き大王に奉仕する私的儀礼の側面が濃いのに対し,殯庭で繰り広げられる歌舞や誄(しのびごと)の奏上には,亡き大王,さらには新しい大王継承者に対する服属の誓約といった公的儀礼の色彩が濃厚である。…

【霊屋】より

…多くは檜皮葺き(ひわだぶき)の屋であった。霊屋は《日本書紀》に殯宮(もがりのみや)とか殯殿とか喪屋(もや)と書かれているものと,基本的には同じものである。この中で遊部(あそびべ)が死者に付着する凶癘魂(きようれいこん)を鎮める儀礼をした。…

【殯】より

…殯の萌芽形態は,《魏志倭人伝》にすでに見えており,古代日本のみならず,中国南部から中部インド,メラネシア,ポリネシアなどに広く分布する複葬形式の一つと認められる。殯についてとくに注目されるのは,大王の没後,殯宮(もがりのみや)が新たに造営されて,殯宮の内や殯宮を取り囲む空間(殯庭(もがりのにわ))で,各種の諸儀礼が行われたことである。殯宮内では,女性の近親者や土師(はじ)氏,遊部(あそびべ)などが,亡き大王に奉仕する私的儀礼の側面が濃いのに対し,殯庭で繰り広げられる歌舞や誄(しのびごと)の奏上には,亡き大王,さらには新しい大王継承者に対する服属の誓約といった公的儀礼の色彩が濃厚である。…

※「殯宮」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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