母子愛育会(読み)ぼしあいいくかい

改訂新版 世界大百科事典 「母子愛育会」の意味・わかりやすい解説

母子愛育会 (ぼしあいいくかい)

児童と母性の保健・福祉の増進をねらいとする団体で,1934年皇太子誕生を記念する御下賜金をもとに設立された恩賜財団愛育会がその前身である。38年には総合的調査研究機関として愛育研究所を設立,さらに研究のための付属施設として愛育病院,愛育幼稚園,愛育養護学校などを設けている。また創立以来,農山漁村を対象に〈愛育村〉を指定し,母子の健康と福祉に関する心身両面の世話をする婦人の奉仕による愛育班活動を展開し,育児思想の普及にも大きな役割を果たしてきた。愛育村は昭和初期の農村恐慌のもとで,農山漁村の実情に即した社会事業的施設として設置されたが,愛育班は現在も活動しており,全国で1200余に及んでいる。第2次大戦後,恩賜財団母子愛育会改称,その後社会福祉法人となり今日に至っている。65年国庫補助により,従来の研究所を拡充して日本総合愛育研究所(現,日本子ども家庭総合研究所)を設置し,母性保健,小児保健,保健指導,栄養,発達心理学,心理治療,家庭環境,養成,施設管理の9部門をおき,広範な調査研究を行っている。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

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