毒性(読み)どくしょう

精選版 日本国語大辞典 「毒性」の意味・読み・例文・類語

どく‐しょう ‥シャウ【毒性】

〘名〙
② (形動) 人の気にさわるようなこと。意地の悪いこと。どくどくしいこと。また、そのさま。
※詞葉新雅(1792)「ドクシャウニ 思よりけに」
滑稽本浮世風呂(1809‐13)四「おまへはおまへは折々毒性(ドクシャウ)な事いはんすけれど、一体性根は直なお方ぢゃナ」

どく‐せい【毒性】

〘名〙 有毒の性質。毒の成分毒気。どくしょう。
※小学化学書(1874)〈文部省〉二「窒素は〈略〉毒性あるに非す動物の此気中に在て死するは唯酸素なきを以て」

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デジタル大辞泉 「毒性」の意味・読み・例文・類語

どく‐せい【毒性】

有毒の性質。また、その度合い。「毒性の強い薬品」「毒性を弱める」
[類語]猛毒有毒毒素毒気毒物毒薬劇薬

どく‐しょう〔‐シヤウ〕【毒性】

[名・形動](主に関西地方で)意地の悪いこと。また、そのさま。
「お時さんのお父つぁんも、―な人や」〈上司・父の婚礼

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「毒性」の意味・わかりやすい解説

毒性
どくせい

生体曝露(ばくろ)されたさまざまな物質や物理的要因(電離放射線、電磁波など)が、ヒトや動物に病的な症状や生体にとって有害な変化を引き起こす場合、これを毒性という。

 毒性は、天然物(かび毒フグ毒ヘビ毒など)であるか人工物(医薬品、農薬、重金属、環境汚染物質など)であるかを問わず、生物が意図的または非意図的に摂取したり曝露されたりする可能性のあるあらゆる物質がもつ潜在的な性質であり、通常は物質または要因ごとに固有のある一定量(閾値(いきち)とよばれる)を超えて曝露が起こった場合にのみ発現し、それ以下の量ではその発現が認められない。われわれが日常的に摂取する調味料(食塩しょうゆトウガラシなど)、飲料(コーヒーに含まれるカフェイン、酒に含まれるアルコールなど)、サプリメント(ビタミンA、イソフラボンなど)なども、過剰に摂取すればそれぞれ特有の毒性を発現し、場合によっては死に至る。

 さまざまな毒性は、生体に現れる影響の表現型に基づいて、神経毒性、遺伝毒性繁殖毒性(生殖毒性)、発生毒性、免疫毒性、発癌(はつがん)性などに分類されることがある。また、毒性学の分野では、曝露期間を基準にして、急性毒性亜急性毒性、慢性毒性のように分類することもある。

[青山博昭]

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改訂新版 世界大百科事典 「毒性」の意味・わかりやすい解説

毒性 (どくせい)

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世界大百科事典(旧版)内の毒性の言及

【毒】より

…なお,すべての毒を網羅する統一的な分類はないが,おもな分類のしかたを表に掲げる。
[毒性toxicity]
 有害作用に関する物質の特性を毒性といい,〈この物質には強い毒性がある〉とか〈毒性がない〉などと表現される。毒物は毒性がきわめて強い物質といえる。…

※「毒性」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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