け【気】 も ない
※宇津保(970‐999頃)祭の使「
尻切れの尻の破れたるはきて、けもなく
青みやせて」
② 少しもそんな
様子が見えない。その時までのいきさつや
状況をまったく忘れたような、また、以前の
態度とすっかり違うさまにいう。
※
評判記・
名女情比(1681)五「われらにとらせんと仰られし御かねのことは、今はけもなひ」
③ (
多く「けもないこと」の形で用いられ) 思いもよらない。とんでもない。また、たわいもない。
※
浄瑠璃・
傾城八花形(1703)一「此ふぐるまがあらんかぎりは、いつかないつかなけもなひ事、ならぬさせぬといひざまに」
※化銀杏(1896)〈
泉鏡花〉一三「何うぞして忘れたいと思ふから、けもないことにわあわあ騒いだり」
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
デジタル大辞泉
「気もない」の意味・読み・例文・類語
気もな・い
1 そのような気配がない。「まったく動じる―・い」
2 取るに足りない。たわいもない。問題にならぬ。
「―・いことにわあわあ騒いだり」〈鏡花・化銀杏〉
3 とんでもない。思いもよらない。
「イヤ、―・い事、―・い事」〈浄・矢口渡〉
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