気室(読み)キシツ

デジタル大辞泉 「気室」の意味・読み・例文・類語

き‐しつ【気室】

圧縮空気の入った室。
押し上げポンプの水を噴出する口と、シリンダーとの間に設ける、空気の入った室。
葉の、気孔につながる細胞間隙かんげき。また、たい類の葉状体の表皮下にある空隙
鳥類の卵の鈍端で、卵殻膜が2枚に分かれてできる空所

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「気室」の意味・読み・例文・類語

き‐しつ【気室】

〘名〙
① 鳥類の卵の卵殻膜の一部二枚に分かれてできた空所。
植物の気孔にある孔辺細胞間の空所。気孔間隙。
苔類の葉状体の表皮下にみられる空所。
蘚類スギゴケ仲間胞子嚢の中に分化し、胞子室をとりまいている細胞間隙
⑤ =くうきしつ(空気室)〔工学字彙(1886)〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

栄養・生化学辞典 「気室」の解説

気室

 卵の卵殻膜は,2枚の膜で構成されているが,一部でその2枚の膜の間に空気がある部分

出典 朝倉書店栄養・生化学辞典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の気室の言及

【気孔】より

…ホウビシダの半水生変種であるヤクシマホウビシダでも,葉面の細胞層の単純化に対応して気孔が失われている。コケ植物では,ツノゴケ類の胞子体に気孔がみられ,ゼニゴケ類などでは配偶体に気室air chamberがつくられ,細胞壁の垂直方向の割れ目が呼吸口として開口する。フロリンR.Florinは裸子植物の気孔の構造を比較研究し,その形成過程に2型あることを明らかにしたが,その差が裸子植物の系統分化の過程と一致していることを示した。…

【ゼニゴケ】より

…植物体は葉状で叉(さ)状に分岐し,長さ3~10cm,幅8~15mm,やや黒みをおびた緑色,辺縁は細かく波状に縮む。葉状体の内部構造は複雑で同化組織には気室という間隙(かんげき)があり,気室は気室孔という穴を通じて外界と連絡し,気室の中には緑色の細胞が不規則に配列している。背面の中央部に杯状の無性芽器(杯状体という)を生じ,その中に多数の扁平な鼓形の無性芽ができる。…

※「気室」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android