気障(読み)キザ

デジタル大辞泉 「気障」の意味・読み・例文・類語

き‐ざ【気障】

[名・形動]《「きざわ(気障)り」の略》
服装言動などが気どっていて嫌な感じをもたせること。また、そのさま。「気障話し方
気にかかること。心配なこと。また、そのさま。
化物が…顕れているのぢゃあねえかと思ふから、ちっと―なところがあらあな」〈滑・七偏人・五〉
不快な感じを起こさせること。また、そのさま。
「そのすうすうとすすり込む音が何分なにぶん―だ」〈滑・浮世風呂・四〉
[類語]伊達平淡いきお洒落小粋おつ洒脱気が利く気障っぽい気障ったらしいこれみよがし高慢ちき

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精選版 日本国語大辞典 「気障」の意味・読み・例文・類語

き‐ざ【気障】

〘名〙 (形動) (「きざわり(気障)」の略)
① 気にかかること。心配なこと。また、そのものやそのさま。
洒落本・魂胆惣勘定(1754)上「きざとは心がかりなることなり」
※滑稽本・七偏人(1857‐63)五「正真の化ものが自己達より先へ顕はれて居るのぢゃアねへかと思ふから、些と気障(キザ)なところが有らアな」
② 不快な感じを起こさせること。また、そのものやそのさま。
※洒落本・傾城買二筋道(1798)夏の床「あれきさな、また人のかほをみて、わる口をいおふとおもって」
③ 服装、態度言葉などが気取っていていやみであること。また、そのさま。
※それから(1909)〈夏目漱石〉六「思はせ振りの、涙や、煩悶や、真面目や、熱誠ほど気障(キザ)なものはない」
きざ‐が・る
〘他ラ四〙

き‐ざわり ‥ざはり【気障】

〘名〙 (形動)
① 気になること。気がかり。きざ。〔文明本節用集(室町中)〕
※歌舞伎・恋闇鵜飼燎(1886)八幕「是で死んでも気障(キザハ)りなく」
② 不快に感ずること。いやみのあること。また、そのさま。きざ。
※洒落本・辰巳婦言(1798)四つ明の部「爰の比よく紋を見ねヱ、すこしきざはりだの」
小公子(1890‐92)〈若松賤子訳〉一〇「人の気障(キザハ)りには必ずならん奴だ」

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