水祝(読み)ミズイワイ

デジタル大辞泉 「水祝」の意味・読み・例文・類語

みず‐いわい〔みづいはひ〕【水祝(い)】

婿入り嫁入りの際に当人に水を掛けて祝う習俗翌年正月にもする。水掛け。水浴びせ。 新年》「鼻たれの男なりけり―/虚子

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精選版 日本国語大辞典 「水祝」の意味・読み・例文・類語

みず‐いわい みづいはひ【水祝】

〘名〙
① 婚姻習俗の一つ。婚礼の時、または翌年の正月に、親戚・友人などが集まって、新郎に水を浴びせて祝福するもの。転じて、新郎・新婦に対して若者が水をかけて囃し、騒ぐこと。水浴びせ。水浴ぶせ。水かけ。水かけのことぶき。水かけ祝。水の賀。《季・新年》
※俳諧・時勢粧(1672)一「かごと計かけしや聟の水祝〈風虎〉」
田植のとき、早乙女が泥苗や水を、通りがかりの誰かれとなくかけ合う風習
③ 静岡県榛原郡地方で、船おろしの祝をいう。

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百科事典マイペディア 「水祝」の意味・わかりやすい解説

水祝【みずいわい】

初婿入りや嫁入りの際,または結婚後最初の神参りの帰りなどに,若者たちが婿に水をかける習俗。婿いじめ一種で,遠方からきた婿には特にきびしく行われたが,江戸時代に何度か禁令が出て廃絶もとは新郎に水を浴びせて祝福する意があったとされる。

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世界大百科事典(旧版)内の水祝の言及

【婿いじめ】より

…この悪戯は婚礼後の年中行事の中でも行われ,婿のみでなく嫁にも加える地域がある。全国的な風習である水祝は,初婿入りや嫁入行列,小正月のおりなどに婿や嫁に若者たちが水をかけることで,婿逃げのときに水かけをする地域もある。水以外に泥,土,雪,松葉などを投げたり,婿の顔に墨つけをしたり,食膳に仕掛けをするというようにさまざまの方法で困らせた。…

※「水祝」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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