水酸化マグネシウム(読み)すいさんかマグネシウム(英語表記)magnesium hydroxide

精選版 日本国語大辞典 「水酸化マグネシウム」の意味・読み・例文・類語

すいさんか‐マグネシウム スイサンクヮ‥【水酸化マグネシウム】

〘名〙 (マグネシウムはmagnesium) マグネシウムの水酸化物。化学式 Mg(OH)2 白色六方晶系粉末。水にはほとんど溶けない。耐火物用マグネシア・クリンカー原料制酸剤下剤などの医薬品として用いられる。

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デジタル大辞泉 「水酸化マグネシウム」の意味・読み・例文・類語

すいさんか‐マグネシウム〔スイサンクワ‐〕【水酸化マグネシウム】

マグネシウム水酸化物天然にはブルース石として産出。強熱すると水を放って酸化マグネシウムになる。金属マグネシウムの原料になるほか、下剤、制酸剤として利用される。化学式Mg(OH)2

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「水酸化マグネシウム」の意味・わかりやすい解説

水酸化マグネシウム
すいさんかまぐねしうむ
magnesium hydroxide

マグネシウムの水酸化物。天然にブルース石として産出する。マグネシウム塩水溶液(工業的には海水なども用いられる)にアルカリを加えることによって製造される。100℃まで加熱しても分解しないが、それ以上の温度では酸化マグネシウムと水とに分解する。水にはほとんど溶けないが、アンモニウム塩や酸を含む水溶液には溶け、弱いアルカリ性を示す。金属マグネシウムの原料、重油ボイラー腐食防止剤、亜硫酸ガス公害防止剤などのほか、下剤、制酸剤などとしての用途がある。

[鳥居泰男]

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改訂新版 世界大百科事典 「水酸化マグネシウム」の意味・わかりやすい解説

水酸化マグネシウム (すいさんかマグネシウム)
magnesium hydroxide

化学式Mg(OH)2。天然にブルーサイトとして産出する。マグネシウム塩の水溶液に水酸化ナトリウムなどの強アルカリを加えると,白色,コロイド状の沈殿として生ずるが,アルカリ溶液中で加圧下で熱すると三方晶系結晶となる。比重2.36。赤熱すると酸化マグネシウムMgOとなる。水に難溶で,飽和溶液の濃度は1.9mg/l(18℃)。水溶液はわずかにアルカリ性を示す。
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化学辞典 第2版 「水酸化マグネシウム」の解説

水酸化マグネシウム
スイサンカマグネシウム
magnesium hydroxide

Mg(OH)2(58.32).天然には水滑石(ブルース石)として産出する.酸化マグネシウムと水との反応,またはマグネシウム塩の水溶液にアルカリを加えると得られる.白色の粉末.密度2.36 g cm-3.350 ℃ で水を放ち酸化マグネシウムを生じる.水に難溶,アンモニウム塩水溶液に可溶.酸に溶けてマグネシウム塩を生じる.水溶液はアルカリ性で,二酸化炭素を吸収して炭酸水酸化物塩MgCO3・Mg(OH)2を生じる.パルプの製造,排煙脱硫剤,中和剤,難燃剤,ガラス添加剤,フェライト原料,肥料,医薬品(制酸剤,下剤)などに用いられる.[CAS 1309-42-8]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「水酸化マグネシウム」の意味・わかりやすい解説

水酸化マグネシウム
すいさんかマグネシウム
magnesium hydroxide

化学式 Mg(OH)2 。天然にはブルーサイトとして蛇紋岩などの中に産する。マグネシウム塩水溶液に水酸化ナトリウムを加えると無色コロイド状沈殿として得られる。水に不溶,酸に可溶。水の存在で空気中から一酸化炭素を吸収する。制酸剤として医用に供される。

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