水酸化リチウム(読み)スイサンカリチウム(英語表記)lithium hydroxide

デジタル大辞泉 「水酸化リチウム」の意味・読み・例文・類語

すいさんか‐リチウム〔スイサンクワ‐〕【水酸化リチウム】

リチウム水酸化物無水物潮解性のある白色固体単斜晶系。強い腐食性をもつ。工業的には炭酸リチウム水酸化カルシウム反応で得られる。化学式LiOH

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

改訂新版 世界大百科事典 「水酸化リチウム」の意味・わかりやすい解説

水酸化リチウム (すいさんかリチウム)
lithium hydroxide

化学式LiOH。無水和物は無色正方晶系の結晶。比重1.43。融点445℃。沸点約925℃。1水和物LiOH・H2Oは無色単斜晶系の結晶。比重1.83。強塩基で,空気中から二酸化炭素を吸収する。吸湿性は水酸化ナトリウムや水酸化カリウムよりも小さい。水100gへの溶解度は12.7g(0℃),17.5g(100℃)。エチルアルコールに難溶。水溶液中で炭酸リチウムと水酸化カルシウム,または硫酸リチウム水酸化バリウム複分解によって1水和物をつくり,これを五酸化二リン入り真空デシケーター中で脱水するか,水素気流中で加熱して無水和物を製する。二酸化炭素吸収剤,リチウムベースグリース,リチウムセッケン,リチウム化合物製造の原料,写真現像薬に用いる。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

化学辞典 第2版 「水酸化リチウム」の解説

水酸化リチウム
スイサンカリチウム
lithium hydroxide

LiOH(23.95).炭酸リチウムと水酸化カルシウムとの反応により,水溶液から一水和物が得られる.真空中で五酸化二リンを用いて脱水して無水物が得られる.無水物は白色の固体.密度1.46 g cm-3.融点450 ℃.924 ℃ で分解してLi2Oとなる.二酸化炭素を吸収する.吸湿性で水に可溶,エタノールに微溶.水溶液は強塩基性を示す.一水和物は無色の単斜晶系結晶.密度1.51 g cm-3.水に可溶,エーテルに不溶.リチウム化合物の製造,写真現像液,電池,二酸化炭素吸収剤,グリース,陶磁器などに用いられる.[CAS 1310-65-2:LiOH][CAS 1310-66-3:LiOH・H2O]

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android