水金(読み)みずきん

精選版 日本国語大辞典 「水金」の意味・読み・例文・類語

みず‐きん みづ‥【水金】

〘名〙
湯水のように使う金。惜しげもなく使う金。みずがね。
滑稽本八笑人(1820‐49)三「いづれ濡事師は、水金(ミヅキン)は遣ひうちのこと」
便宜をはかってもらうために贈る物。みずがね。賄賂。〔和英語林集成初版)(1867)〕
落語出刃包丁(1898)〈四代目柳亭左楽〉「此奴若ければ洲崎吉原へはめれば水金(ミヅキン)引いて手取り二百か三百に売れるのだが」
陶磁器に用いる上絵の具一種塩化金硫黄テレビン油等を用いて作る粘りけある油状物。塗って摂氏七〇〇~八〇〇度で焼くと、表面に金の膜ができる。金液

みず‐がね みづ‥【水金】

〘名〙
今川大双紙(15C前)馬に付て式法之事「鐙をおさへ申次第、主人ならば、鐙の水金のもとを右の手にて取り」
読本近世説美少年録(1829‐32)三「色に迷ふて密通財(ミヅガネ)を使ふは凡世間の、後生(わかうど)に多かれば」

すい‐きん【水金】

〘名〙
① 土、海砂流水などの中から採取した金。
山相秘録(1827頃)上「土中・井中・海砂中・流水中より出でたる者を水金と名づく。其の色淡黄なり」
② 陶磁器の上絵に用いる金色の塗料。金液(きんえき)。→みずきん(水金)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「水金」の意味・読み・例文・類語

みず‐きん〔みづ‐〕【水金】

陶磁器の上絵の具の一。塩化金硫黄テレビン油などを加えた濃厚液。金彩色に用いる。金液。すいきん。
湯水のように惜しげなく使う金銭。
「濡事師は―は遣ひうちのこと」〈滑・八笑人・三〉
賄賂わいろ。〈和英語林集成

すい‐きん【水金】

みずきん(水金)1

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