永正記(読み)えいしょうき

改訂新版 世界大百科事典 「永正記」の意味・わかりやすい解説

永正記 (えいしょうき)

伊勢の内宮の忌服・触穢(そくえ)・禁忌などについての制規を記した書。内宮禰宜(ねぎ)荒木田守晨(もりとき)の撰。2巻。1513年(永正10)成る。書名はその成立時の年号にちなむ。上巻には内外親族仮服事,夫婦仮服有無事より触穢日数事,神忌所労禁忌事,忌火物事など30条について記し,下巻には神明遺勅並びに朝家憲章および両宮の規範,また往昔の例,中古の趣,当時の儀など120条について,つまりその戦国の争乱期にも神宮において忌服などについて厳重に守らせる目的で,まず旧例を分類整理して記し,ついでその典拠を記している。1318年(文保2)に成った外宮側の文保服忌令とともに後世尊重された。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

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