永沈(読み)ヨウチン

デジタル大辞泉 「永沈」の意味・読み・例文・類語

よう‐ちん〔ヤウ‐〕【永沈】

浄土双六すごろくで、そこに入ると無間むけん地獄におちたことになり、失格になる場所
地獄のこと。
「今の社会は其精神こころ既に―奈落の底に落ちて」〈魯庵・くれの廿八日〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「永沈」の意味・読み・例文・類語

よう‐ちん ヤウ‥【永沈】

〘名〙 (「よう」は「永」の呉音)
浄土双六(すごろく)の語。一度そこに落ちると、長く出ることのできない場所。比喩的にも用いる。
※雑俳・花笠(1705)「ふり出して・南無三おれはようちんじゃ」
随筆還魂紙料(1826)上「浄土双六〈略〉永沉、ここに堕つれば永く沈で出ず、故に如此号」
② 転じて、地獄の称。
※浄瑠璃・主馬判官盛久(1687頃)四「一百三十六地獄無間叫喚阿鼻やうちん」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android