氾勝之(読み)はんしょうし

世界大百科事典(旧版)内の氾勝之の言及

【区田法】より

…土地を肥やして作物を育成するのが農業の基本であるのに対し,播種するところだけを耕して直接作物に水,肥料を効率よく吸収させるのが区田法で,区種法ともいう。耐干救荒を目的として,前漢の成帝の時代に氾勝之が確立し普及させた。当時は大農経営が支配的であったが,耕地の少ない所とか干害の年には実施された。…

【農学】より

…当時の農学の具体的内容については,《呂氏(りよし)春秋》や《管子》にいくらか見られるが,その土壌改良,施肥,栽培の技術はさして水準が高くなく,主眼はもっぱら農民の確保と生産の充実に向けられていた。 秦・漢時代の農学の特色は,本来は農民たちの自然暦の目安となっていた物候知識が,政治的色あいを帯びて〈月令(がつりよう)〉という一種の農事暦に仕立て上げられたことと,趙過(ちようか)(前2世紀)および氾勝之(はんしようし)(前1世紀)などの勧農官によって精耕細作が奨励されたことである(《氾勝之書》)。ことに氾勝之の農学は,五行思想の影響を受けて迷信じみた一面もあるが,12種の作物について種子の選別,播種(はしゆ),栽培,施肥,収穫から種子の保存にいたるまで細かに技術指導し,関中地方(陝西省)に単位面積当り高収穫を求める区田法(くでんほう)を広める努力をしている。…

【氾勝之書】より

…中国,漢代の農書。氾勝之撰。氾勝之の生没年代は不詳であるが,前漢成帝(在位,前32‐前7)のころの官吏と思われる。…

※「氾勝之」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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